2003涸沢山行記−13 エピローグ

全体会終了後に
 全体会を終えた後、テントを撤収して、下山のため一同は上高地へと向かった。振り返れば、常念山脈の山並みが見え、上を向けば前穂のそそり立つ岩峰が見える。歩道の横を流れる梓川のせせらぎの、その先をたどれば涸沢である。次ここに来るのはいつの日であろうか。その時、自分はどうなっているのだろうか――。

歩道から梓川を振り返る

大正池付近をタクシーの車窓から
 上高地で現役生を見送った後、中嶋とタクシーに乗る。しばらくすると、大正池の前を通りかかる――。
 1999年8月、創立者池田先生は「上高地の水鏡」と題して写真紀行を書かれた。実は池田先生は1982年8月4日、この地を訪問されているのである。―――『私は、しばし車を降りて、大正池のほとりに立った。池の鏡は、樹林の陰を抱いて、翡翠の色に光っている。時が止まったようだった。』(1999年8月1日付聖教新聞掲載――写真紀行『地球は美しい』より)
 ここを通るとき、私はそのことを思い出すとともに、「一度、皆が歩いているところを車で先に行って待っているよ。」という第四回創大祭の折の、星空の家での語らいが聞こえて来るような気がして、胸を熱くするのである。
 今年7月には、この紀行文が釧路新聞に掲載されたそうである。
 現役生は、松本で5期武田さんと昼食後、八王子へ夜、無事に帰り着く。私と中嶋といえば、沢渡から、初めて行ってみる白骨温泉で汗を流した後、松本にて24期田中広樹と顔を合わせて、松本インターから東京へと帰路についたのであった。
 今年の夏は、この日からが本番の陽気で、残暑が9月中ごろまで続いたのであった。
(2003涸沢山行記 了、2003.11.16)   
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